118 第5章 地域の土壌と施策展望 桐生のうどんは、麺の幅が広い「ひもかわ」が有名です。この地域でうどんがよく食べられるようになったのは、多くの女性が織物の仕事をしていたことから作り置きができて、調理も手軽だったことが理由として考えられます。また、「ソースかつ丼」も有名ですが、これも、時間のない織物職人が仕事の合間に短時間で食べられる食事として考案されたと言われています。このほかにも、「焼きまんじゅう」、「焼きそば」、ばれいしょ・たまねぎ・デンプンで作った「シュウマイ」など、特色ある‟粉食“が創出されてきました。地域の土壌桐生・みどり地域の土壌と施策展望市町村:桐生市、みどり市域内人口:160.5千人 / 域内面積:482.9㎢伝統の祭り・文化江戸時代に始まった桐生祇園祭を起源とし、毎年50万人を超える来場者がある「桐生八木節まつり」や、同じく江戸時代に始まる■■■年の歴史を有し、上州三大祗園の一つに数えられる「大間々祇園まつり」が行われています。また、域内各地で、太々神楽や獅子舞等の地域に根ざした伝統文化が継承されています。旧石器時代から続く、人々のくらし岩宿遺跡は、それまでの歴史の通説を塗り替え、日本の旧石器時代の存在を証明しました。また、縄文時代の遺跡も、国史跡の西鹿田中島遺跡や国指定重要文化財の耳飾りが出土した千網谷戸遺跡などがあります。自然豊かな森林資源と自然北部の山岳地帯と赤城山麓を中心に、森林の面積が地域の7割以上を占めています。また、渡良瀬川、桐生川が北から南東に流れ、南部の扇状地には、市街地や農地が形成されています。緑と水に恵まれた自然豊かな土地です。また、平坦地から中山間地域に至る各地域の特性を生かし、野菜や花き・果樹、畜産など多様な農業が展開されています。文化多彩な文化施設「富弘美術館」や「大川美術館」などの芸術施設や「岩宿博物館」、日本でも数少ない木造劇場建築物である「ながめ余興場」、「ぐんま昆虫の森」や「桐生が岡動物園・遊園地」など多彩な施設が点在しています。歴史自然環境の保全とふれあいの場袈裟丸山や小中大滝など4つの自然環境保全地域、吾妻山東面、崇禅寺の2つの緑地環境保全地域があります。特に、鳴神山自然環境保全地域の周辺には、大変希少な植物であるカッコソウが世界で唯一自生しています。また、全国に10カ所ある自然観察の森の一つである「桐生自然観察の森」や、「利平茶屋森林公園」、「小平の里親水公園」など、豊かな自然に親しむことのできる施設が多くあります。「西の西陣、東の桐生」(織物のまち)既に奈良時代に、この地域から絹織物を朝廷に献上した記録が残っています。江戸時代には京都の西陣と並び称される一大産地になりました。県内最多件数のぐんま絹遺産や、日本遺産に認定された古い商家、織物工場等が立ち並ぶ桐生新町伝統的建造物群保存地区(重伝建)が残されています。現在も、織物などの繊維産業は盛んであり、その製品や技術は他の産業分野にも生かされています。また、近年は、自動車関連部品などの機械金属産業も盛んです。あかがね(銅)街道江戸時代に渡良瀬川の上流にある足尾銅山と江戸とを結ぶ街道が整備されました。渡良瀬川沿いには宿場町が発展し、物資の集積場としてにぎわいました。また、大正時代には、現在のわたらせ渓谷鐵道に当たる鉄道が全線開通しました。銅山は■■■■年に閉山しましたが、現在も往時を偲ぶ街並みが残ります。豊かな食文化
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