11 該当箇所の引用を含め、富を生み出す方程式の変化についての認識は、安宅和人著「シン・二ホン」に依拠しています。 12 第2章 ビジョンから基本計画へ 連続的な変化に富む局面では、「未来を変えている感」が企業価値になり、それをテコに投資し、最終的に付加価値、そして利益につながるという、富を生む方程式が真逆の流れになりました。この未来を生み出す力は、「我々の課題意識、もしくは夢を何らかの技・技術で解き、それをデザインでパッケージング」11することで生み出されます。ビジョンが考える価値を生む方程式においても、デジタルと文化のほかに、未来を夢見る「妄想力」をもった人が欠かせません。 この夢見る力「妄想力」をもった人物像は、ビジョンの中で「始動人」と名付けたこれからの群馬県を牽引する人物像のひとつです。「始動人」とは、自分の頭で未来を考え、新しい領域で動き出し、生き抜く力を持った人です。それでは、そのような人になれるのは一握りの人だけでしょうか。決してそんなことはありません。自分たちの身の回りで小さなことでも何か新しいことに挑戦している人がいれば、その人は「始動人」です。他人とは違うけれど大切にしたいもの、少し新しいことに挑戦してみる勇気、失敗して落ち込んでも立ち直り前を向く心、誰もが「始動人」の「かけら」を持っています。この「始動人」の「かけら」を育てていくことが重要です。それでは「始動人」の「かけら」を育てるには何が必要なのでしょう。「始動人」が育つ社会は、多様な価値観に寛容で、他人と違う挑戦を応援する社会です。「始動人」が育ち活躍する社会は、多様な価値観を前提にした「一人ひとりの幸福」を大切にする社会なのです。 以上が、新しい価値を創造する自立分散型の社会の概要です。
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