4慶應義塾大学SFC教授の安宅和人氏によって示されているウィズコロナ時代のトレンドの考え方です。群馬県では新・群馬県総合計画(ビジョン)の策定にあたり、さまざまな分野の外部有識者からヒアリングを行いました。安宅氏からは、令和2年3月25日にヒアリングを実施しました。 7 さらに、国際社会に目を向けると、私たちは歴史の大きな転換期にいることに気付かされます。新しいフロンティアを求め拡大してきた資本主義経済に限界が見え始め、先進国においても貧富の差が拡大し、社会の分断が深刻な状況を迎える懸念があります。また、世界人口は増加を続け、エネルギーや食料、水などの資源の需給が逼迫し、世界情勢の緊張が高まることも想定されます。 このように非常に厳しい見通しに加え、2020年には誰も予見していない変化を世界にもたらす事態が発生しました。新型コロナウィルスの大流行です。 ニューノーマルをチャンスに変える「快疎」な群馬■この感染症の流行は、学校の休校による教育格差の拡大や経済活動の停滞、外出自粛による心理的不安など、当初から私たちの暮らしの多方面に深刻な影響を及ぼしました。そして、発生から1年を経過しても未だ収束の兆しを見せない新型コロナ禍に対し、私たちは新しい生活様式を取り入れるなど、新しい日常(ニューノーマル)として対応することを試みています。■■新しい日常(ニューノーマル)は、モノやサービスのオンライン化や労働のテレワーク化などの身近な日常から、世界規模での医療用品の争奪戦に至るまで、社会のあらゆる面に変化をもたらしました。それは、多くの人にとって痛みを伴う変化でした。■しかし、この変化をポジティブに捉え、チャンスに変えようとする人たちがいます。■■「開疎化」■という概念に示されているように、「開放的」で人口も「疎」である空間へのニーズがコロナ禍で高まり、大都市ではない地域社会が持つ価値の再評価につながるこ
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