新・群馬県総合計画(ビジョン)
47/120

43参考)「デジタル×文化×人」とは( ■■)◇デジタル技術がその土地の風土や文化と結びつき、新しい魅力や価値を生むことも考えられます。◇メディアアーティストの落合陽一氏は「デジタル発酵」という概念を提示しています。「発酵」とは、ある限られた領域の中で無秩序に混ざり合う内向きの力であり、「デジタル発酵」で発酵の原資となるのは、あらゆる空間に偏在する情報化されたテクノロジー資源です。このテクノロジー資源が、その土地に根付いたモノやサービスと掛け合わされることで、新たな魅力や価値が現れてきます。◇スーパーコンピュータ「富岳」の登場まで、演算性能では世界トップのアメリカや中国に太刀打ちできない時期が続いた日本ですが、その間も、消費電力当たりの演算性能においては、依然として世界のトップクラスにありました。このように、グローバルな基準から外れた方向への熟練が意外な価値を生み出すことを「デジタル発酵」の典型であると、落合氏は説明しています。◇例えば、先に示した電力の地産地消においても、その土地固有の自然エネルギーや人々の自然観とデジタル技術が掛け合わされることで、新しい持続可能な分散電源のあり方が生まれてくるかもしれません。◇また、ある街の固有の構造、そこでの人の営みや死生観とデジタル技術が掛け合わされ、新しい健康寿命のあり方が立ち現れてくるかもしれません。

元のページ  ../index.html#47

このブックを見る