新・群馬県総合計画(ビジョン)
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 目指す姿–価値を生む力(価値創造軸)(3■4)■「文化」~群馬という土壌48例:資源循環や水害の大規模化の時代に利根川水系の「上流社会」この土地の人々の生活は、群馬の豊かな山々がもたらす豊かな水に支えられた利根川とともにあった。県内各地で利根川との関わりの物語が生活に息づいている。近世では上州と江戸を結ぶ通運の大動脈として、さらに、豊かな森林資源とダムが結びつき首都圏の水がめとして。私たちは「上流社会」の責任を負う土地に暮らしている。大きな変革をもたらす時代に近世から群馬の風土を生かして発達してきた養蚕業、製糸業、織物業を背景に、官営富岡製糸場で、日本の近代化を牽引した。伝統的な産業を社会の変革と融合させた「進取の気風」があり、養蚕業を中心にできあがった生活様式の名残が、現在も日常の風景に溶け込んでいる。「かかあ天下」で名高い働き者の女性の存在も欠かせない。例:デジタル技術が産業革命を支えた養蚕例:ローカリズムと多様性の時代にローカリズムの結晶上毛かるた県内各地の多様な歴史・文化が凝縮された上毛かるた。誰もがカルタで遊び、当たり前のようにそらんじる。上毛かるたは子どもたちの生活の一部になっている。一枚の札にあるローカルな背景を耕すことで、群馬県の中にある多様性を豊かにすることができる。「しのぶ毛の国」は、渡来人とのグローバルな文化交流が発酵した共生社会だった。私たちは、県内各地の固有性を掘り起こし、耕し、つないでいく。新しい価値や魅力を生み出す、私たちの土壌とは何か。

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